Webマーケティングを行ううえで、SEOは欠かせない手法の一つです。
SEOを効果的に運用していくためには、Googleの動向や競合他社の分析を日々行いながら自社サイトを更新・改善していくことが求められます。
そのような作業を自社内だけで運用するためには、SEO専門のチェックツールを活用すると効率的です。
この記事では、コンテンツのSEOチェックに役立つ無料ツールを機能・目的別に紹介します。
SEOチェックをやってみよう
SEOにはさまざまな分析指標があり、それに応じて使用するチェックツールも異なります。
まずは、チェックツールを選定する前に、SEOのコンテンツ作成後にはどのようなチェック・分析が必要なのかを見ていきましょう。
検索順位チェック
検索順位とは、GoogleやYahoo!をはじめとする検索エンジンで対象のキーワードで検索した際に検索結果として表示される順番のことです。
さまざまなキーワードで自社サイトを上位に表示させることができれば、集客増加につながります。
そのため、競合他社と比較しながら現状を把握し、自社サイトを改善していくためにも日々順位変動を確認することは重要です。
なお、検索順位が決まる仕組みや順位の上げ方については、以下の記事で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
関連記事:SEOで検索順位を上げるには?順位が決まる仕組み、おすすめのチェックツールを紹介
自然検索流入数チェック
自然検索流入数とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索した結果からユーザーがクリックしサイトに入ってきた数のことで、Web広告や他社サイト、SNSなどからの流入は含まれません。
自然検索流入数が増加することで、SEOにおける直接的な効果が期待できます。
例えば、順位が低いにもかかわらず多くの流入につながっているキーワードが見つかれば、SEOを強化し上位表示させることでさらなる流入数の増加が見込めるでしょう。
反対に、いくら複数のキーワードで上位表示されていたとしても自然検索流入数が少なく、集客につながらなければ意味がありません。
このように、先ほど紹介した検索順位と併せて自然検索流入数もチェックしSEO対策を行うと効果的です。
被リンクチェック
被リンクとは、他社サイトに貼られた自社サイトのリンクのことです。
現在のSEOにおいても被リンクは重要な評価指標の一つとされていますが、ただ数多くの被リンクが集まれば良いというわけではなく自社サイトとの関連性が求められます。
例えば、自社サイトにて10代女性向けの商材を通販で取り扱っている場合に、50代男性向けの商材を扱うサイトやまったく関係のないBtoB向けサービスのサイトなどからリンクされても、関連性が低いとしてむしろSEOの評価を下げてしまう可能性があります。
そもそも被リンクは良質なコンテンツを提供することで自然と増えていくもので、自社で意図的にコントロールするものではありません。
そのため、関連性や質を考慮しながら被リンクをチェックすることが重要なのです。
以下の記事では被リンクについて詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:被リンクとは?SEOへの効果とページの評価が下がるNG例を紹介
ページの表示速度チェック
ページの表示までに時間がかかるサイトは、ユーザーがすぐに離脱してしまう傾向があります。
さらに、離脱率が高いサイトは検索エンジンにも価値が低いと判断され順位が下落してしまう可能性もあるため、ページの表示速度をチェックするようにしましょう。
表示速度が遅くなる要因としては、画像や動画、外部読み込みの多用など多岐にわたります。
リンク切れチェック
リンク切れとは、その名の通り自社サイトにおいてリンクが切れて遷移できないことを指します。
例えば、URLが間違っている場合や、過去のページや訴求ページがサービス終了に伴い掲載終了した場合などに起こることが多いです。
このような場合、ユーザーがリンク切れのボタンやアンカーテキストなどをクリックすると「404 File not Found」といったページに飛び、ユーザーにとっては不利益なページとなってしまいます。
リンク切れ自体は直接SEOの順位に影響するものではないと言われていますが、リンク先に飛べなかったことでページのユーザビリティが下がることはあり得ることです。
間接的に順位下落の要因につながるため、リンク切れチェックと対策を行うようにしましょう。
おすすめの無料SEOチェックツール【検索順位】
ここからは、先ほど紹介したチェック項目別におすすめの無料SEOチェックツールを紹介していきます。
まずは、検索順位に関連するおすすめのツールを紹介します。
Google Search Console(Googleサーチコンソール)
Google Search ConsoleとはGoogleが提供する無料のツールで、自社サイトの検索順位の監視・管理・改善に役立ちます。
Google Search Consoleのなかでも特におすすめの機能が「検索パフォーマンス」で、流入キーワードの検索順位を確認することが可能です。
あくまでGoogle検索にて自社サイトに流入したキーワードが対象となりますが、どのようなキーワードで何回検索結果に表示され、何回クリック(自社サイトに遷移)されたのかとともに平均掲載順位を知ることができます。
対象のキーワードはページごとに把握することもできるため、効率的に次のSEOの施策につなげられるでしょう。
SEOチェキ!
SEOチェキ!は、ロプロス氏が提供する無料の検索順位チェックツールです。
検索順位に加え、対象ページのタグ情報やファイルサイズ、発リンク(自社サイトのページから別ページまたは外部のサイトに飛ぶリンク)の状況などをチェックすることもできます。
検索順位機能では、対象ページに対して一度に3種類のキーワードのGoogleとYahoo!における順位を確認することができますが、Yahoo!でチェックできる順位は10位までとなっています。
シンプルなインターフェースでWeb上で簡単に順位を取得することができるため、使い勝手の良いSEOツールと言えるでしょう。
GRC
GRCとは、SEOツールラボの検索順位チェックツールです。WindowsやMacにも対応したダウンロード型となっています。
指定のキーワードと対象ページを登録するだけで検索順位を簡単に確認することが可能です。
また、GoogleだけでなくYahoo!やBingでの順位を同時に取得することもできます。
さらに、シンプルな操作性で使いやすいほか、日々の順位変動をグラフ化してくれるため視覚的に確認できるのもポイントです。
なお、GRCは無料で使うことができますが、より多くのキーワードやページの組み合わせで確認したい場合は有料版にアップデートすることもできます。
有料プランは、調査可能なURL数や検索語数の上限が異なる「ベーシック・スタンダード・エキスパート・プロ・アルティメット」の5つが用意されています。
検索順位チェッカー
検索順位チェッカーでは、対象のページに対して同時に5種類までキーワードの順位を取得できます。
GoogleとYahoo!のほかにBingの順位も確認することができるほか、スマートフォンにおける検索順位も同時に取得可能です。
さらに、PCにおいては順位だけでなく「ヒット数」として検索結果に表示される競合数も同時に見ることができる仕様となっています。
おすすめの無料SEOチェックツール【自然検索流入数】
続いては、自然検索流入に関連するおすすめのSEOツールを紹介します。
Gooogle Analytics(Googleアナリティクス)
Googleアナリティクスとは、先ほど紹介した「Google Search Console」と同様にGoogleが提供する無料のアクセス解析ツールです。
自社サイト内にトラッキングコードを埋め込むことで訪れたユーザーの数や属性を把握するだけでなく、よく見られているページや滞在時間、コンバージョンにつながったかといったユーザー行動に関しても分析・解析することができます。
SEOにおいて、集客やコンバージョンにつながったのかを数値やデータをもとに確認していくことは重要です。
例えば、SEOで上位表示させた結果、流入数の多いページであっても直帰率や離脱率が高い場合には狙うべきキーワードが違う可能性もあります。
このような分析は、流入後のユーザー行動を把握しなければ改善につなげることはできません。
数値や指標など専門性が高いGoogleアナリティクスを活用すれば、SEOの効果をより高められるでしょう。
SimilarWeb(シミラーウェブ)
SimilarWebはイスラエルの企業が開発したSEOツールで、日本ではSimilarWeb Japanが運営しています。
Googleアナリティクスのようにトラッキングコードなどを使わずとも、自社サイトにおけるアクセス状況を把握することができます。
特に、競合他社のアクセス状況や検索キーワードを分析できる点が大きな特徴の一つです。
競合他社サイトと自社サイトと比較することで、どこが足りていなくてどこを伸ばすと効果的なのかが客観的な数値をもとに分析できます。
さらに精度の高い分析をしたい場合は、月額167ドル~使用できる有料版に移行することも可能です。
おすすめの無料SEOチェックツール【被リンク】
続いては、被リンクに関連するおすすめのSEOツールを紹介します。
LYNX(被リンクチェックツール)
LYNX(被リンクチェックツール)は、リンクス・アンド・カンパニー・ジャパン合同会社が提供しているツールです。
対象のページURLを入力するだけで自社サイトの被リンク数を簡単にチェックすることができます。
また、被リンク以外に「ユニークな被リンク数」や「nofollowされたリンク数」などもドメイン単位で表示されます。
さらに、競合他社の被リンク状況も確認できるため、注目を集めているコンテンツや自社サイトに足りない被リンクの状況なども分析することが可能です。
Bing Webmaster Tools
Bing Webmaster Toolsとは、Microsoftが提供する無料のBing解析ツールです。
Bing版のGoogle Search Consoleのようなもので、「バックリンク」ではBingにおける自社サイトと競合他社サイトの被リンク数を比較することができ、参照先ページやドメイン、アンカーテキストの分析に役立ちます。
また、被リンクだけでなく、キーワード調査やサイトのエラーの確認、サイトスキャンなども行えます。
Bingのシェア率はまだまだ低いですがGoogleとYahoo!に次ぐ第三の検索エンジンとして注目されているため、Bingを通してSEO状況を把握していくことも大切です。
パワーランクチェックツール
パワーランクチェックツールは、アクセスジャパンが提供する被リンクチェックツールです。
Web上から対象ページのURLを入力するだけでドメインパワーとともに被リンク状況を確認できます。
被リンクに関しては、数だけではなく「被リンク元サイトのリンクパワー」「被リンク元サイトのスパムに対する安全性」「被リンク元サイトTOP3と上位20の品質」なども表示されます。
10点満点中の点数やグラフなどで視覚的にも分かりやすいインターフェースとなっているため、簡単に自社サイトの被リンク状況を把握できるでしょう。
おすすめの無料SEOチェックツール【ページの表示速度】
続いては、ページの表示速度に関連するおすすめのSEOツールを紹介します。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、Googleが提供するページの表示速度をスコア化して解析できるツールです。
Google Search ConsoleやGoogleアナリティクスと同様に無料で利用できます。
トラッキングコードなどの設定は不要で、Web上で対象ページのURLを入力するだけで表示速度の観点において現状分析が行えるほか、改善すべき項目も明示されるためサイトの改修にもつなげやすいでしょう。
視覚的にも分かりやすいインターフェースですが、改善項目に関しては専門的な知識が必要です。
LYNX(ページスピードチェックツール)
LYNX(ページスピードチェックツール)は、先ほど紹介した被リンクチェックツールと同様、リンクス・アンド・カンパニー・ジャパン合同会社が提供する無料ツールです。
読み込み時間とともに、応答コードやコンテンツサイズ、コンテンツリクエストに応じた問題点も表示されるため、自社サイトにおける改善ポイントを簡単に把握することができます。
おすすめの無料SEOチェックツール【リンク切れ】
最後に、リンク切れに関連するおすすめのSEOツールを紹介します。
Dead-link-checker.com
リンクチェッカー(リンク切れチェックツール)dead-link-checker.comは、エスロジカルが提供する無料ツールです。
Web上から対象のURLを入力すると、存在するリンク先を収集するとともにエラー(リンク切れ)が存在していないかを確認できます。
シンプルなインターフェースでリンク切れの確認に特化しているため、簡単にリンク切れ状況を把握したいときに便利です。
takotubo.jp
takotubo.jpは、ディーボが提供する無料のリンク切れチェックツールです。
Web上から対象のURLを入力するだけで対象ページのリンク状況を確認することが可能です。
リンク一覧とともにアンカーテキストも取得できるため、リンク切れがどういったアンカーテキストで構築されているのかを把握でき、その後の修正にもつなげやすいという特徴もあります。
SEOチェックは定期的に行うことが大切!
SEOを効果的に運用していくためには、自社の担当者の知識や経験だけでは成り立ちません。
現状を正しく把握するためには、数値やデータに基づく客観的な指標が必要になります。
このような数値・データを抽出するためには、SEOチェックツールの導入は必要不可欠です。
データを正しく分析・解析できれば、その後の施策における効果を最大化させることも期待できます。
今回紹介したSEOチェックツールも参考に、日々のSEO業務を効率化しつつ効果を高める施策につなげていきましょう。