コンテンツマーケティングとは、自社の商品やサービスに関する有益なコンテンツを提供し、自社のファンや顧客を獲得するマーケティング手法を指します。
一口にコンテンツマーケティングと言っても種類はさまざまで、特徴を理解して目的に合ったものを使い分けることが大切です。
この記事では、コンテンツマーケティングの種類や特徴を紹介します。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングは種類によって強みや手順が異なります。
自社の何をアピールしたいのか、どのような効果を得たいのかといった目的や、アプローチしたいターゲットなどを踏まえたうえで選ぶのがおすすめです。
コンテンツマーケティングの種類は明確に数が決まっているわけではありませんが、大体10種類ほどになります。
まずは、どんな種類があるのか1つずつ見ていきましょう。
記事コンテンツ
記事コンテンツとは、自社商品やサービスに関する記事を作成、発信する方法で、コンテンツマーケティングにおいて最も代表的と言えます。
有益な記事を継続的に発信し続けることで、検索エンジンで検索したときに記事が上位表示され、長期的にユーザーを流入できるのが特徴です。
また、記事コンテンツのなかにはコラム記事、HowTo記事、まとめ記事、専門家記事、事例記事、インタビュー記事、活用方法記事などさまざまな種類があります。
例えば、特定の悩みや疑問を抱えているユーザーにはHowTo記事や専門家記事、自社の商品やサービスに興味を持たせたい場合は、実際に利用した人の事例記事やインタビュー記事など使い分けることが可能です。
ユーザーに自社の商品やサービスの理解を深めてもらい、購買意欲を高めることができるほか、新たな活用方法記事を届けたり、生の声を聞いて改善したりすることでリピート率の向上も期待できます。
LP（ランディングページ）
LP（ランディングページ）とは、ウェブ広告や検索結果をクリックした際、ユーザーが最初に閲覧する縦長のページを指します。
商品・サービスに関する情報をメインに紹介し、興味を持ったユーザーを実際に購入や申し込み、問い合わせ、資料請求、メルマガ登録といった行動に誘導するのが目的です。
LPを活用することで、サイトを訪問したユーザーがどのくらいアクションを起こしたかを示すコンバージョン率を向上させることができます。
また、自社商品やサービスの魅力をアピールするLPに対し、広告感を抑えつつユーザーが知りたいことをメインに文章主体で読みやすくまとめた記事LPがあります。
まだ自社へ関心がない場合や純粋に記事を読みたい場合に、広告感が強すぎると逆効果になる可能性があるため、記事LPを挟むことでユーザーの共感や好感を得てLPへつなげることができるのです。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、企業が商品やサービスに関連する役立つ情報や、課題の解決方法などをまとめた報告書のことです。
主に顧客の悩みを分析、解決法を提案する課題解決型、実際に商品を活用し課題を解決した事例紹介型、市場調査や分析結果などのレポート型、用語集やセミナーの報告といったそのほかの種類に分けられます。
ホワイトペーパーは、企業のウェブサイトで名前やメールアドレスなどの情報を登録するとダウンロードできる仕組みで、主に法人向けの事業を行う企業が顧客となり得るユーザーの情報を得るのが目的です。
また、見込み客の情報を獲得することで営業やマーケティング戦略に活かせるほか、さらに多くダウンロードしてもらえるようにサイトの構成や入力フォームを改善することができます。
さらに、ホワイトペーパーには自社独自のノウハウをもとにした内容を記載するため、専門性が高くユーザーからの信頼度アップにもつながります。
メールマガジン（メルマガ）
メールマガジンは、企業がメールを通して定期的に商品やサービス、新商品、イベントなどの情報を発信するマーケティング手法です。
ホワイトペーパーと同じように、キャンペーンの応募やクーポンの取得、役立つ情報のダウンロードと引き換えにメールマガジンを登録してもらうことで集客効果が期待できます。
また、定期的な配信でコミュニケーションを図ったり、既存顧客に対しても新情報やお得な情報を発信したりして購買意欲を高め、販売促進につなげるのも目的の一つです。
まずは自社について知ってもらいたい、関心を持ってもらいたい場合や、顧客に継続的に利用してもらうためにファン化を目指す場合に適しています。
ただし、適切な配信頻度や配信内容、顧客の属性に合わせた情報提供、スパム行為の回避などを考慮したうえで行わなければ逆効果になりかねないため注意しましょう。
ウェビナー
ウェビナーとは、ウェブとセミナーを合わせた造語で、インターネット上で配信するセミナーのことです。
インターネット環境さえ整っていれば場所や時間に制限されずどこからでも参加でき、低コストかつ自由度が高いことから社内、社外問わず活用されています。
メリットとして、コストの削減や集客率アップのほか、文章ではなく自ら口頭で企業の魅力を伝えることでブランドイメージの向上、販売促進などが期待できます。
また、ウェビナーにはライブ配信と録画配信があり、ライブ配信であればその場ですぐ質問に答えたり、録画配信なら理解できなかった部分を再度視聴したりと、ユーザーの信頼度や理解度を深めることが可能です。
そのため、セミナーや講演会はもちろん、求職者への企業説明会、研修などで活用する企業も増えてきています。
SNS
近年マーケティングの一環として増加傾向にあるのが、SNSを活用した手法です。
LINEやTwitter、Facebook、InstagramといったSNSを利用することで自社に関する情報をタイムリーにユーザーへ提供できるほか、手軽に拡散できることでより多くの人へ情報を届けられるという特徴があります。
また、コメントやリツイートといった機能を使ってユーザーとのつながりを深めたり、ほかの手法と比べて堅苦しい印象がないので、若い世代へのアピールとしても有効です。
そのほか、特定のターゲットだけではなく幅広く認知度を高めたい、企業の概要や雰囲気などを詳しく伝えたいといった目的で活用する場合もあります。
一方で、不特定多数のユーザーに発信できることで誤解を招いてしまったり、意図しない方向に拡散されてしまったりといったケースも少なくありません。
投稿内容にセンシティブな情報が含まれていないか、文章表現に問題はないか、確実な情報であるかなどガイドラインを作成したうえで活用すると良いでしょう。
動画
YouTubeやTikTokなど動画を活用したコンテンツマーケティングには、画像や文章に比べて伝えられる情報量が多いことや、記憶に残りやすい、理解しやすいといった特徴があります。
また、テレビCMや広告を出すには料金がかかってしまうのに対し、YouTubeやTikTok、自社ウェブサイトなどインターネット上で発信する動画なら、コストを削減することが可能です。
そのほか、動画の場合もHowTo動画、商品紹介動画、ブランディング動画、インタビュー動画などさまざまな種類があり、ファンの獲得やブランディングなど目的に合わせて使い分けることができます。
ただし、何を一番に伝えたいのか、どんなターゲット層に届けたいのかを明確にしたうえで、動画内容をコンパクトにまとめたり、分かりやすく目に留まりやすいサムネイルにしたりといった工夫が大切です。
ポッドキャスト
ポッドキャストとは、音声コンテンツをインターネットを通じて配信できるメディアのことです。
ユーザーが自分の好きな時間や場所で聴くことができるほか、家事や運動、移動しながら聴くことができるので効率良く情報を得られるといった特徴があります。
ポッドキャストを活用する際には、ターゲット層を明確にしたうえで、有益かつユーザーが飽きにくい内容で継続的に発信することが重要です。
そうすることで、最初はながら聴きだったユーザーがヘビーユーザーへと変化し、商品の購入やサービスの成約へ誘導できる可能性も高くなります。
プレスリリース
プレスリリースとは、新商品や新サービスを発売する前に、テレビや新聞のメディアに対して配信することを指します。
プレスリリースは、注目度や認知度を高めたい、評判を向上させたい、マーケティング効果を高めたいといった目的で活用することが多いです。
商品やサービスについて事前にメディアやユーザーにアピールすることで、発売前の期待が高まるうえ、発売後の売上向上やブランド認知の拡大につながります。
しかし、テレビや新聞、ネットニュースなどを通して情報を取り上げてもらうので、メディア側が興味がなければ掲載されない、発表後に企業が記事の内容をコントロールできないなど注意点も多いです。
書籍・e-book（電子書籍）
書籍や電子書籍を活用したコンテンツマーケティングの特徴として、信憑性の高さが挙げられます。
書籍や電子書籍は著者が明確であるほか、編集部での校正、校閲による誤植のチェックや事実確認が行われたうえで出版されるので、誰でも配信できるほかの手法とは異なり信憑性が高いのです。
さらに、書籍は多くの情報を盛り込むことができるため、業界の専門知識を確実に、より具体的に伝えたいという場合に適しています。
また、書籍として店頭に並んだり、電子書籍のラインナップに表示されることでユーザーの目に触れる機会が増え、ブランディング効果にもつながります。
そのほか、書籍や電子書籍は一度購入すれば長期間にわたって保持することができ、企業は顧客のロイヤリティを高めることが可能です。
コンテンツマーケティングの種類にオウンドメディアも含まれる？
コンテンツマーケティングとオウンドメディアを混同している人も多いですが、この2つは意味や目的が異なります。
コンテンツマーケティングは自社の商品やサービスに関する情報を発信し、顧客の獲得や購買行動へ誘導するための施策を指します。
一方でオウンドメディアは、企業自らが運営するメディアのことです。具体的には、ウェブサイトやブログ、SNSの公式アカウント、パンフレットなどが挙げられます。
オウンドメディアは、自社でコンテンツを制作、配信、管理してターゲット層に正確な情報を提供したり、自社の商品・サービスのプロモーションに活用することが可能です。
オウンドメディアについては、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
関連記事：オウンドメディアの作り方、企画から運用までの流れを徹底解説！
関連記事：オウンドメディアのメリットを8つ紹介！知っておきたいデメリットも
コンテンツマーケティングの種類を見極めて目的に合うものを選ぼう
コンテンツマーケティングは、自社の商品やサービスに関する有益な情報を提供することで、顧客の獲得やファン化、購買行動の促進などの効果が期待できます。
ただし、コンテンツマーケティングにはさまざまな種類があるので、企業が求める効果を得るためには目的やターゲットを明確にしたうえで、適したコンテンツを利用することが大切です。
今回紹介したコンテンツマーケティングの種類や特徴を参考に、効果的にユーザーの興味や関心を引くことができるコンテンツ制作に取り組んでいきましょう。
