SEO対策をしていると「被リンク」という言葉に多く遭遇します。
では、被リンクとはそもそも何を指しているのでしょうか。
この記事では、被リンクの定義について紹介したうえで、SEOにおける効果と逆効果となる例について解説していきます。
被リンクとは?
まず、SEOにおけるリンクは大きく分けて2種類あります。
一つは自社サイト内の記事やページ同士をつなぐ「内部リンク」で、リンク元とリンク先でドメインが同じになるのが特徴です。
もう一つは外部サイトと自社サイトをつなぐ「外部リンク」で、「被リンク」はこの外部リンクに含まれます。
被リンクは、外部サイトに貼られている自社サイトのリンクのことを指し、「バックリンク」もしくは「インバウンドリンク」とも呼ばれています。
反対に、自社サイトから外部サイトに飛ぶリンクは「発リンク」と言います。
被リンクは2種類ある
被リンクは、リンクの貼られ方によって「ナチュラルリンク」と「スパムリンク」に分けられます。
ナチュラルリンク
「ナチュラルリンク」とは、直訳すると「自然なリンク」です。
例えば、純粋に内容を参照することが目的で貼られていたり、自社サイトとの関連性が高い外部サイトに貼られていたりといった、自然の流れで貼られるリンクのことを指します。
ナチュラルリンクがもたらすSEO効果については、次の章で詳しく解説します。
スパムリンク
ナチュラルリンクに対し、内容に相関がなく不自然な流れのなかで貼られたリンクが「スパムリンク」です。
スパムリンクと判断される例は第4章で詳しく解説します。
被リンクをチェックする方法
被リンクは「Google Search Console(グーグルサーチコンソール)」を使って確認することができます。
- 画面左のサイドメニューから「リンク」を選択
- 「外部リンク」にある「上位のリンクされているページ」や「上位のリンク元サイト」からサイトを確認
もし低品質なサイトからの被リンクが見つかった場合は「リンクの否認」の申請をすることも考えましょう。
「Google Search Console」は、被リンク以外にも検索順位、表示回数、クリック数、クリック率(CTR)などをチェックすることができるので、SEO対策には欠かせないツールと言えます。
被リンクはSEOにどんな効果がある?
続いては、質の良い被リンクであるナチュラルリンクを獲得することで、具体的にどのような効果があるのかを解説します。
サイトの評価が高くなる
Googleは、検索アルゴリズムなどのさまざまな技術を使用して実施される、ページの重要性を分析する方法について次のように言及しています。
ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。
引用元:Google が掲げる 10 の事実
このように、ほかのサイトから参照されるようなページは信頼に足る良質なコンテンツと判断されるため、質の良い被リンクを集めることでサイトの評価を上げることにつながります。
アクセス数が増える
良質な被リンクを複数獲得することができ、サイトの評価が高くなると検索順位が上がる可能性が出てきます。
検索順位が上がるとユーザーの目に留まりやすくなり、検索による流入増加が期待できるでしょう。
また、検索結果からアクセスするユーザーだけでなく、リンクが貼られている外部サイトを閲覧しているユーザーからのアクセスも見込めます。
クローラーがページを見つけやすくなる
良質なサイトとして評価してもらい検索順位を引き上げるには、まずページを検索エンジンに見つけ出してもらわなければいけません。
この検索順位を決めるためにさまざまなウェブサイトを巡回することを「クロール」と言い、クロールを行うロボットを「クローラー」と呼びます。
そして、クローラーによりクロールされたウェブサイトが検索エンジンのデータベースに登録されることを「インデックス」と言います。
このクローラーは、すでに登録されたページからリンクをたどることで巡回します。
つまり、すでにインデックスされている外部サイトからの被リンクを多く獲得することで、クローラーが巡回に来る確率を引き上げることができるのです。
SEOに逆効果な被リンクの例
ここまでは、良質な被リンクがもたらすSEO効果について説明してきましたが、獲得する被リンクはどんなものでも良いわけではありません。
そもそも良質でない被リンクが存在する理由としては、かつて「Googleツールバー」で「ページランク」が公開されていた頃、ページやサイトの評価が可視化されている唯一の値だったため、多くのサイトがページランクを引き上げようと被リンク獲得に躍起になっていたことが挙げれられます。
しかし「ペンギンアップデート」と呼ばれるGoogleの検索アルゴリズムのアップデートが行われたことで、低品質な被リンクやスパム的な手法に対してペナルティが課せられるようになりました。
以下のような、悪質な方法で被リンクを獲得してしまうとペナルティの対象となり、ページの評価を落とす原因になるので注意しましょう。
悪徳業者から購入する
過去には、効率良くページランクを引き上げるために多くの悪徳業者が被リンクの売買を行っていましたが、被リンクの購入は絶対にやってはいけない行為です。
現在は、明確にGoogleのガイドラインで被リンクの購入が禁止されています。
もちろん、リンクに関して物品やサービスのやり取りを行ったり、特定の商品について記載しリンクを設定してもらうのと引き換えにその商品を送るといったこともNGです。
隠しリンクで設置されている
隠しリンクとは、リンクテキストの色と背景色を同一にしたり、フォントサイズを極端に小さくしたりすることで、サイトを閲覧するユーザーには見えないように隠したリンクのことを指します。
ユーザーには内容がまったく異なるリンクでも不自然に思われないように設置し、クローラーには被リンクとして読み取ってもらうという悪質な手法です。
しかし現在は、こうした隠しリンクもガイドラインで規定されており禁止されています。
関連性の低いコンテンツに設置されている
被リンクの評価においてはページ同士の関連性も重視されているため、自社サイトとの関連性が低いページから被リンクをもらってもSEO効果は得られにくいです。
また、不自然なリンクと認識されペナルティの対象となる場合もあります。
自動生成されたコンテンツに設置されている
検索順位を上げるためにかつて多く行われていた手段の一つが、被リンクを貼るためのウェブサイトを大量生成することです。
当時の検索エンジンのアルゴリズムは文章の意味までは理解できなかったため、多くのキーワードを盛り込んでサイトの評価を引き上げるために、「ワードサラダ」という文法的には正しいものの意味が通らない文章を機械的に自動生成するケースがほとんどでした。
もちろん現在は、自動生成されたワードサラダも判断できるようになっています。
こうしたページは検索エンジンにインデックスされなくなり、被リンクもペナルティの対象です。
リンク集サイトに設置されている
リンクの購入や自社サイトでの大量生成以外によく実施されていた被リンク獲得の手段が、相互リンクやリンク集への登録です。
もちろん、互いに高い評価を持つ豊富なページ同士が関連のあるコンテンツにおいて相互リンクを行うのは良いSEO効果が期待できるでしょう。
しかし、被リンクを増やすために大量のサイトと相互リンクを行った場合は、往々にして関係のないコンテンツであることが多く、相互リンクのためにコンテンツを作成するのも非現実的です。
そのため、多くの場合相互リンク集を作ってリンクを貼ることがほとんどでした。
現在では、検索エンジンのクローラーの進化により、リンクされたページの文脈なども判断できるようになったため、リンク集による被リンクはまったく意味をなさなくなってきています。
SEOに効果的な被リンクを獲得する方法
被リンクの対策は、SEOの「外部対策」にあたります。
自社サイトの中身に施策を行う「内部対策」とは異なり、外部対策は外部サイトが関係する施策なので自身でコントロールすることは不可能です。
しかし、先ほども紹介したように、外部サイトから評価を受けることは検索順位を引き上げるために重要な施策の一つなので、自社サイトでできる範囲で対策を行いましょう。
良質な被リンクを獲得するために有効な方法は、主に次の通りです。
- 質の高いコンテンツを作成する
- SNSで拡散されやすいサイト設計にする
- インターネット以外の場所(オフライン)でサイトの存在をアピールする
- 参照されやすい統計データコンテンツを作成する
また、SEOツールを用いて自社サイトの被リンク状況を定期的に分析することも大切です。
被リンクを含めた外部対策のやり方やおすすめのSEOツールについては、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
関連記事:SEOの外部対策をしよう!内部対策との違いやおすすめツールを紹介
良質な被リンクを獲得してSEO効果を高めよう
今回は、被リンクの定義や効果、逆効果となるスパムリンクの例について紹介しました。
かつては検索エンジンクローラーの性能が低く、質の低いスパムリンクが判断できず被リンクとして評価されていましたが、現在ではアルゴリズムも進化し厳格なガイドラインが定められ、質の高いコンテンツや本当に有意義な被リンクだけが評価されるようになっています。
被リンク対策を含むSEO対策はすぐに結果が出るものではないので、焦らずにコツコツと質の高いコンテンツを積み重ね、良質な被リンクを獲得していきましょう。