SEOにおいて良い成果を上げるには、SEOツールを用いた戦略立案と効果測定、改善作業が必要不可欠です。
しかし、SEOツールは無料のものから有料のものまでたくさんの種類があり、それぞれ機能が異なるため、どれを使えば良いか悩んでいる方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、SEOツールでできることを整理したうえで、機能別におすすめのツールを紹介します。
SEO対策は分析ツールが役立つ!
SEO(検索エンジン最適化)対策とは、Googleなどの検索エンジンで検索した際に、特定のキーワードで自身のWebサイトを上位に表示させるための施策で、主にGoogleに向けた対策のことを指します。
狙っているキーワードで検索した際に表示されるWebサイトすべてが競合となるため、他サイトの上を行くには、以下のような高度な分析や選定作業が必要です。
- ニーズのあるキーワードを選定
- 競合サイトの調査
- 自社サイトのアクセス解析
- ユーザーの検索意図の調査
- Googleが定めたルールに則ったコンテンツ作成 など
いずれもマーケティングやWeb制作の専門知識を要すため、自力で行うには、膨大な勉強時間を費やすことになります。
そこで役立つのが、分析や調査を行ってくれるSEOツールなのです。
SEOツールを用いることで分析や調査にかかる時間を大幅に短縮できるため、SEO初心者はもちろん、上級者でも取り入れるメリットは十分にあります。
SEOツールでどんなことができるのかは、次の章で詳しく解説します。
無料ツールでも分析できる?
無料ツールでもある程度分析することはできますが、本気で成果を出したいのであれば有料ツールを使用するのがおすすめです。
以下の表では、無料ツールと有料ツールの違いをまとめています。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
無料ツール |
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有料ツール |
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サイトの規模やどの程度の分析を行いたいかで、適したツールを選んでみてください。
SEOツールでできること
SEOツールには、無料・有料のものが存在し、基本的な機能を網羅したものから、一部の機能にのみ特化したものまで、タイプもさまざまです。
ここでは、SEOツールでできることについて解説します。
内部対策(テクニカルSEO)
SEO対策の効果を最大化させるため、サイトの構造を最適化することを「内部対策」と呼びます。
そもそも検索結果にサイトを表示してもらうには、コンテンツを巡回するロボット「クローラー」が巡回しやすいサイトを構築することや、クローラーにコンテンツの内容を正しく読み取ってもらうことが重要です。
例えば、次のようなことを確認したり改善したりする必要があります。
- 内部リンクが適切に設置されているか
- 見出しタグ・alt属性が適切に設定されているか
- ページタイトル・ディスクリプションが設定されているか
- robots.txtが設定されているか
- ページ表示速度は適切か
- エラーページを設定しているか など
内部対策に特化したSEOツールを導入することで、検索順位やユーザービリティに直接影響する技術的な問題を迅速に分析でき、サイトの改善に役立ちます。
関連記事:SEOの内部対策は何をすべき?目的や効果的なやり方を解説
外部対策
外部対策とは他サイトから自社サイトの評価をもらうための施策で、主に「被リンク」と「サイテーション」の獲得を目指します。
被リンクとは、他サイトから自社サイトに向けて貼られたリンクのことです。
サイテーションとは、自社のサイト名やサービス名などを他サイトに言及してもらうことを指し、リンクを獲得する必要はありません。
良質な被リンクとサイテーションが多く集まっていれば情報の信頼性を示すしるしとなり、Googleから質の高いサイトだと判断されやすくなります。
ただ、被リンクとサイテーションの数は、内部対策のように自社サイトに対して行う施策ではなく他サイト次第となるため、自社でコントロールすることは不可能です。
そのため、ツールを用いて被リンクやサイテーションの状況を確認します。
関連記事:SEOの外部対策をしよう!内部対策との違いやおすすめツールを紹介
検索順位チェック
自社サイトの順位状況を正確に把握することは、効果測定を行ううえで欠かせません。
ツールを使用しなくても、一つひとつをGoogleで検索すれば順位の確認は可能ですが、時間がかかりすぎてしまいます。
SEOツールには、自社サイトの順位状況を一括でチェックできるものもあるため便利です。
関連記事:SEOで検索順位を上げるには?順位が決まる仕組み、おすすめのチェックツールを紹介
キーワード調査
SEOでの集客は、ユーザーがキーワードを入力して検索するところから始まるため、そもそも検索している人が少ないキーワードで上位表示されても多くの流入は見込めません。
そのため、検索数(ニーズ)の多いキーワードや、競合の数が少ないキーワードの抽出が必要です。
キーワード調査ができるSEOツールを使えば、狙うべきキーワードの選定作業が簡単になるほか、「検索数が多く、競合の数が少ない狙い目キーワード」や「関連して狙ったほうが良いキーワード」を効率的に抽出できるようになります。
関連記事:SEOに効果的なキーワードの選び方を紹介!種類やおすすめの選定ツールも
コンテンツSEO分析
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に合う良質なコンテンツを制作し、検索流入を増やしたり、集客したりする施策のことです。
コンテンツSEO分析ができるツールは、コンテンツが良質かどうかを確認できるものですが、それぞれ特徴が異なります。
ここまで紹介してきた、内部対策からキーワード調査までの機能を網羅的に備えているものも多いです。
関連記事:コンテンツSEOとは?テクニカルSEOとの違いや対策方法を解説
コピーアンドペースト(コピペ)チェック
別のページと内容がまったく同じ、またはほとんど同じ内容を記載したページのことをコピーコンテンツと言います。
コピーコンテンツは有益と判断されず、SEOの評価を下げてしまうほか、悪質なコピーコンテンツとみなされた場合はペナルティを受ける場合もあります。
そういったミスが起きないよう、コピペチェックは重要です。
コピペチェックができるSEOツールには、すでにWeb上に存在しているページと比較して、ページの重複率を調べてくれるものもあります。
競合サイト分析
コンテンツを作成するうえで、競合サイトを分析することは重要な作業です。
競合サイト分析ツールでは、競合サイトのアクセス数や被リンク数、どんなキーワードで上位を獲得できているのかといったさまざまな項目で分析することができます。
おすすめの内部対策(テクニカルSEO)ツール
ここでは、内部対策に特化したおすすめのSEOツールを2つ紹介します。
【有料】Lumar(旧 Deep Crawl)
Lumar(旧 Deep Crawl)は、サイト内を自動解析して、リンク切れや不要なリダイレクト、nofollowに指定されているページといった不具合を検出してくれる内部対策ツールです。
サイトのモニタリングや、サイト構造を最適化するのための提案なども行ってくれるため、日々変化するSEOのルールに適応させられます。
Lumar(旧 Deep Crawl)の料金
Lumar(旧 Deep Crawl)は、会社情報やサイトのトラフィック規模、サイトのURLを送信したうえで、最適なプランを選択・カスタマイズできる仕組みとなっています。
まずは問い合わせをして、料金の見積もりを取ってみてください。
【無料】Light House(ライトハウス)
Light Houseは、Googleが無料で提供しているGoogle Chromeの拡張機能で、Webサイトの調査や診断、分析を行うことができます。
SEO内部対策を行ううえで重要なポイントを確認し、下記5つの項目のスコアを教えてくれます。
- Performance
- ProgressiveWebApp
- Accessibility
- Best Practices
- SEO
自社サイトだけではなく、競合サイトのスコアも調査できるため、無料ながらも使い勝手が良いツールと言えます。
おすすめの外部対策(被リンクチェック)ツール
続いては、外部対策におすすめのSEOツールを2つ紹介します。
【有料】Majestic SEO(マジェスティックSEO)
Majestic SEOは、Webサイトの被リンク状況を解析できるツールで、競合のサイトの解析にも使用できます。
「トラストフロー」と「サイテーションフロー」という独自の指標も搭載しており、サイトのドメインの品質レベルも調査可能です。
Majestic SEOの料金
Majestic SEOには、3つのプランが用意されています。
プラン | 支払いサイクル | 料金※ |
---|---|---|
LITE | 1ヶ月ごと | 49.99ドル/月 |
12ヶ月ごと | 41.67ドル/月 | |
PRO | 1ヶ月ごと | 99.99ドル/月 |
12ヶ月ごと | 83.33ドル/月 | |
API | 1ヶ月ごと | 399.99ドル/月 |
12ヶ月ごと | 333.33ドル/月 |
※付加価値税(VAT)を除く料金です。
LITE、PRO、APIの順で使える機能が増えていくので、自分に合ったプランを選んでみてください。
【有料】Semrush(セムラッシュ)
Semrushは、SEOだけでなく、広告やSNSなどデジタルマーケティングに必要なデータ分析も行うことができる、オールインワン競合分析ツールです。
SEO対策においては、外部対策に重要な被リンクの調査はもちろん、競合サイトのアクセス解析や検索順位のトラッキング、キーワードの調査まで行えるようになっています。
Semrushの料金
Semrushには3つのプランが用意されており、67%のユーザーがGuruプランを使用しているようです。
プラン | 支払いサイクル | 料金 |
---|---|---|
Proプラン | 月間 | 131.95ドル/月 |
年間 | 1319.34ドル/年 | |
Guruプラン | 月間 | 252.95ドル/月 |
年間 | 2529.34ドル/年 | |
Businessプラン | 月間 | 494.95ドル/月 |
年間 | 4949.34ドル/年 |
14日間の無料トライアルが可能となっているので、一度試してみるのも良いでしょう。
おすすめの検索順位チェックツール
検索順位チェックに特化したおすすめのSEOツールを2つ紹介します。
【有料】GMO順位チェッカー
GMO順位チェッカーは、徹底的に時短にこだわって開発された検索順位チェックツールです。
クラウド型のサービスなので、PCに限らずスマホやタブレットなどのデバイスから、いつでもどこでも検索順位チェックが行えます。
GMO順位チェッカーの料金
GMO順位チェッカーには、4つのプランが用意されています。
プラン | 支払いサイクル | 料金 |
---|---|---|
プロ100 | 月間 | 485円/月(税込) |
年間 | 4,884円/年(税込) | |
プロ1000 | 月間 | 980円/月(税込) |
年間 | 9,768円/年(税込) | |
エージェンシー5000 | 月間 | 1,485円/月(税込) |
年間 | 14,916円/年(税込) | |
エージェンシー10000 | 月間 | 1,980円/月(税込) |
年間 | 19,800円/年(税込) |
プランごとに調査できるキーワード数が変わるため、サイトの規模に合わせたものを選びましょう。
上記以外に、1ヶ月間無料で利用できる「フリープラン」も用意されています。
【無料】SEOチェキ!
SEOチェキ!は、対象サイトのURLと調査したいキーワードを入力するだけで、GoogleとYahoo!における検索順位が確認できる便利なSEOツールです。
ただし、同時に調査できるキーワードの数は3つと少ないので、簡単な調査には向いていますが、大規模な調査には向いていません。
なお、Yahoo!で調べられる検索順位は、10位までとなっています。
検索順位以外には、サイトSEOチェック・キーワード出現頻度チェック・発リンクチェック・Whois(ドメイン所有者の情報検索)が無料で使えます。
おすすめのキーワード選定ツール
キーワード選定に特化したSEOツールとしては次の2つがおすすめです。
【有料】Keywordmap(キーワードマップ)
Keywordmapは、競合分析に基づいてキーワードの調査が行えるSEOツールです。
日本最大級の日本語データ群を用いて競合他社を分析し、検索市場の動向や競合の戦略、自社の強みや弱みをスピーディーに分析します。
SEOのみならず、リスティング広告の運用にも役立つツールなので、併用を考えている方に特におすすめです。
Keywordmapの料金
Keywordmapには、ライト・スタンダード・エキスパートの3つのプランが用意されており、初期費用+月額費用で1年間の契約となります。
フォームより問い合わせをすると、要望に合う最適なプランを提案してもらうことができ、その際に料金も提示してもらえるようになっています。
【一部無料】Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
Ubersuggestは、ターゲット市場の競合戦略の分析に基づいたキーワード提案を行ってくれるツールです。
検索ボリュームはもちろん、季節性も確認することができます。
また、特定のキーワードで上位表示されている競合ページを一覧表示してくれるため、労力に見合う結果が得られないコンテンツ作成を避けられるでしょう。
Ubersuggestの料金
Ubersuggestは、1日に利用回数の制限がありますが、キーワード調査やトラフィック調査、被リンクチェックなどを無料で行うことができます。
無制限で使用したいという場合は、有料プランを契約することも可能です。
Ubersuggestには、以下の3つのプランが用意されています。
プラン | 支払いサイクル | 料金 |
---|---|---|
パーソナル | 月間 | 2,999円/月 |
買い切り | 29,990円 | |
ビジネス | 月間 | 4,999円/月 |
買い切り | 49,990円 | |
エンタープライズ | 月間 | 9,999円/月 |
買い切り | 99,990円 |
月額のほうにはいずれのプランにも無料トライアルが7日間あり、買い切りのほうには30日間返金保証が付いています。
おすすめのコンテンツSEO分析ツール
続いては、コンテンツSEOに特化したおすすめのSEOツールを紹介します。
【有料】TACT SEO(タクト SEO)
TACT SEOは、主に以下の4つの機能を備えているSEOツールです。
- 上位化のための課題発見
- キーワードのグルーピング
- 流入キーワードの調査
- 順位計測
自社サイトの順位状況を確認し、上位化を実現するためのデータが簡単に確認できるため、コンテンツSEOに取り組む方に特におすすめです。
TACT SEOの料金
TACT SEOには、2つのプランがあります。
プラン | 料金 |
---|---|
プロフェッショナル | 99,000円/月(税込)~ |
ビジネス | 187,000円/月(税込)~ |
料金の詳細やサービス資料は、フォームに必要事項を入力し送信すると、ダウンロードできるようになっています。
無料で試すことも可能なので、迷っている方は一度問い合わせてみるのも良いでしょう。
【有料】EmmaTools™(エマツールズ)
EmmaTools™は、SEOコンテンツの品質向上に特化したツールです。
独自の技術により、コンテンツのSEO品質をスコアリングし、改善ポイントを提案してくれるため、コンテンツSEOに初めて取り組む方でも使いやすいツールと言えます。
ほかにも、関連キーワード分析機能やコピー率チェック、上位サイトのコンテンツ分析といった便利な機能がそろっているため、分析はもちろん作業工数の短縮も見込めそうです。
EmmaTools™の料金
EmmaTools™の料金は、以下の通りです。
プラン | 支払いサイクル | 料金 |
---|---|---|
Free | 月間 | 0円 |
年間 | ||
Entry | 月間 | 33,000円/月(税込) |
年間 | 330,000円/年(税込) | |
Standard | 月間 | 71,500円/月(税込) |
年間 | 770,000円/年(税込) | |
Enterprise | 月間 | 利用状況に応じて設定をカスタマイズ |
年間 |
おすすめのコピペチェックツール
続いては、コピペチェックができるツールを紹介します。
【無料】CopyContentDetector(コピーコンテンツディテクター)
CopyContentDetectorは、ブラウザ上で使える無料のコピペチェックツールです。
サイト上でテキストを貼り付け、チェックを実行するだけで、簡単にコンテンツの一致率を調べられます。
CSV一括登録やテキストの一括登録も行え、無料ツールとは思えないチェック制度と利便性の高さが魅力的です。
有料版も存在しますが、無料版でも期間の制限なく利用できます。
おすすめの競合サイト分析ツール
最後に、競合サイト分析ができるツールを紹介します。
【有料】SimilarWeb(シミラーウェブ)
SimilarWebは、競合分析を得意とするツールです。
豊富なデータを活用して、業界分析や企業(競合)分析、アプリ分析、コンバージョン分析など、さまざまな調査が行えます。
SEOにのみ特化したツールではありませんが、SEO対策において競合調査は欠かせない項目であるため、導入することでメリットが大きいデータが得られるでしょう。
SimilarWebの料金
SimilarWebの料金は応相談となっており、問い合わせ後にニーズに合った最適なパッケージと見積りを提示してもらえる流れとなっています。
SEOツールを使って自サイトのコンテンツを分析してみよう
今回は、SEO対策を行うのに欠かせないツールの機能や、おすすめのツールをいくつか紹介しました。
たくさんの分析ツールが存在しますが、SEO対策を行いたい目的や達成したい目標を明確にし、自サイトに必要な機能を備えているものを適切に選ぶことが大切です。
無料ツールも有料ツールも有効活用して、コンテンツ分析を行ってみましょう。